また、淡路容疑者は昭恵夫人が2016年にはじめた山口県下関市のゲストハウス「UZUハウス」にも資金提供。2018年8月に「UZUハウス」開業のパーティにも、淡路容疑者は招待を受け、安倍首相や昭恵夫人と記念撮影におさまっていた。こうした疑惑は何度も国会で追及されていた。
安倍夫妻とも交流がった淡路被告と秋元被告はどんなつながりがあったのか? 秋元被告の弁護に関わった関係者はこう語る。
「淡路容疑者らは秋元被告の支援者だと聞きました。しかし、贈賄側にカネを渡せなど、そんな話はまったくしていなかったと聞いています」
秋元被告自身には昨年末の逮捕時から検事出身の別の弁護士がついていた。秋元被告の事件は贈賄側の紺野被告らから300万円の現金を議員会館で受け取ったか、否かが大きな争点となっている。秋元被告は現金の受け取りを否定。前出の秋元被告の関係者はこう続ける。
「紺野被告らが検察ストーリーに乗って、300万円を渡したと証言しているのではないかと秋元被告の弁護側は疑念を抱いていた。そこを確認したいと、弁護側は紺野被告らと接触しようと動いていた。すると、紺野被告から連絡があり、7月末に会う日程も調整していた。そのタイミングで淡路容疑者ら3人が逮捕されました」
コロナ禍にもかかわらず、秋元被告は7月30日、東京都内のホテルに250人ほどを集め、7月勉強会「イブニング・セミナー」という政治資金パーティを開催。出席した秋元被告の知人がこう話す。
「秋元被告はマイクをもって声高に『私は完全に無罪です。贈賄側の被告たちがカネを渡していませんでした、勘違いだといえば、彼らも無罪になる。そうなると、カネを贈られていない自分も無罪』などと言っていました。そこに、今回の逮捕のニュースを聞いて秋元被告のスピーチと共通点もあり、大丈夫なのかなと心配です」
前出の秋元被告の関係者は検察から提出された秋元被告の刑事記録を読んだ印象をこう語る。
「国会議員を逮捕、起訴するには、かなり証拠が薄い。無罪判決が出る感触もあった。検察は3人を逮捕し、秋元被告の保釈取り消しを狙っているのではないのか」
前出の捜査関係者はその狙いをこう語る。
「淡路容疑者ら3人の支援者が自発的に危ない橋を渡るようなマネをするのか?秋元被告の関与が重大なポイント。今後、その有無も含めて捜査している」
秋元被告の弁護人の後任にはカルロス・ゴーン被告の弁護人も務めた、弘中惇一郎弁護士の名前が取りざたされている。
(本誌取材班)
※週刊朝日オンライン限定記事