ニュース番組にはニュースというオブラートがあり、一方で、ワイドショーはそのワイドショーという言葉自体みんなが基本的にバカにしている構図がある。「なんだよ、ワイドショーのクセに」というところから入っているから、そこを取り除くことは難しい。そのイメージをどのようにして取るかというと、コメンテーターの個人の肩書きなんですよね。肩書き付けてあげると、その人の言葉をそのまま鵜呑みにしてしまう人が結構いる。その肩書きによって、よっぽど変なことを言わない限りは「こいつヘンなヤツだ」っていうことにはなかなかならない。
もうひとつ裏の見方があって、だいたいのコメンテーターは本音は言わないです。ありきたりなコメントをするだけ。見ている人が「そうだそうだ」ということを言おうとしているんです。テレビを見ている人たちが「そういう話、家でもしていたわ」っていうことを話そうとする。どうしてかというと、何も問題が起こらないやり方なんです。みんなテレビ出ている人たちも炎上とかになりたくないんですよ。なぜなら、そこまでテレビをなんとかしてやろうなんて思ってテレビに出演していないから。テレビ出るのが本職じゃないけど、テレビに出ているとデメリットもあるけど、何かしらのメリットもあるから出演している。画面に出て、さもありなんなことを言うというのが、コメンテーターの目標ですよね。この場を荒らしてやろうとか、この場面でケンカしたら面白いぞとか自らの身を削ろうとは思っていない。自らの身で番組をかき回してやろうと思うのはタレントだけです。僕なんかが叩かれるのはそういう理由からなんですけどね。
「コイツ、いっつもわけわかんねぇコメント言い出して」とか「ナニ、いつもブチ切れてんだよ」とか言われるけど、そっちのほうがテレビって面白いんですよ。でも、何も批判のない番組は、コメンテーターたちがただ並んで、ありきたりな、何にもならないようなことをさも真面目な顔してしゃべっているから平均点が取れますよね。それやっているからワイドショーはつまらないって言われていて、個性がある番組の方が面白いというか、叩かれていた方が本当は面白い。