自身もアーティスト活動をしているからこそ、言葉にも重みが増す。

「例えば虹プロのメンバーには、体重をキープするために『僕だって昨日はご飯を抜いたよ』と自身の体験を語っています。アーティストとしての彼がストイックだからこそ、言葉が響くし、説得力があります」(同)

 女性アイドルグループ「ゆるめるモ!」のプロデューサーで、『10年続くアイドル運営術』などの著書がある田家大知氏は、こうした「アーティスト性」を日本のあるプロデューサーと重ねる。

「ダンス歌手であるJ.Y.Parkさんは、音楽を自分の体で表現して伝えるのがうまいという強みがあります。日本を代表するプロデューサー・つんく♂さんも同様です。彼はボーカリストなので、作曲の時も、自分で歌心を宿してから、デモテープにしてメンバーに渡すことができる。2人はもともとがアーティストだからこそ、音楽への理解が深く、伝えられることも多いという強みを持っています」

 ただ、田家氏はこうした共通点を挙げつつも「自らが広告塔になって、あそこまで前に出るプロデューサーは、これまでいなかったのでは」と口にする。

「つんく♂さんもシャ乱Qとしては前に出ていましたが、ハロプロのプロデューサーとしての露出は控えめでした。語る内容も真面目なことが多く、プロデューサー然としていました」(同)

 一方のJ.Y.Park氏は、NiziUのプレデビュー曲である『Make you happy』のミュージックビデオにもちゃっかり登場するなど、「目立ちたがり」な印象がある。

「こうしたスタンスは批判もされやすいので、もろ刃の剣でもある。でも、自分が前に出る方が、よりグループの良さが伝わると判断してやっているのでしょう」(同)

 前出のK-POPゆりこ氏は、「韓国と日本では、(J.Y.Park氏の)見られ方がかなり違う」と話す。

「日本では、虹プロを通して、理想の上司としてあがめられている印象があります。しかし韓国では、聖人君子なイメージではありません。バラエティー番組で積極的に発言をして、芸人からいじられることもあるため、もっとコミカルな印象です」

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外見からは想像できない「パンク魂」