一つの慰めは、どのように推理して見つけたかはともかく、今日になってとうとう新型ウイルス流行の転換点が現れたということだ。かりに私が推測するように、レムデシビルがよく効き、すぐに大量生産ができれば、新型ウイルス流行はそれほど心配いらなくなる。ロックダウンはなお継続されるだろうが、レムデシビルの情報はさらにしばらくの間、封鎖を続ける上での力になるだろう。この特効薬の情報は多くの人々に一晩警戒心を緩めさせるだろうから。
■「私はウイルス」の証明
すでに多くの市民は3週間以上も家に籠って過ごしており、メンタルがやられる人も出よう。厳しい管理を無視して出歩く人が現れたら、過去76日間に及ぶ災難がもう一度繰り返されかねない。お分かりのように、これが「私はウイルス」の証明である。
私は大衆を信じてはいない。私も私たちも、私たちが黙認している政府もみな大衆を信じてはいない。大衆は自分で判断する力も自分を管理する力もないと考えている。長い時間かかって大衆はそうした力を自ら放棄し、徐々に政府を頼るようになった。逆に政府は徐々に大衆を軽んじるようになった。一種の悪循環だ。
よろしい、さらに続く蟄居の時間、心静かに理性的であるようにしよう。システム的に反省するようにしよう。
○阿坡(A.PO)/一武漢市民。77日間の武漢都市封鎖(ロックダウン)を経験し、この手記を執筆。「阿坡」は本名ではない。全世界に多大な迷惑と災難をもたらした新型コロナウイルスについて、一人の健全な精神を持つ中国人としてお詫びの気持ちを表すために、英語の「apologize(お詫びする)」から取った。全世界の国々が中国からのお詫びを待ったとしても、それが述べられることはない。だか、この名前を用いて手記でお詫びの気持ちを表したいと考えている。
訳:kukui books
※AERAオンライン限定記事