団長は、このお笑いの世界のこと、何も分かってなかったボクとHIRO君に色々教えてくれた先生みたいな人だったし、もし団長がいなくなったら、この先、安田大サーカスはどうしていけばいいんだっていう不安もすごくあった。
ボクは、まだ親が亡くなっていないから分からないけど、「きっと、親が亡くなるってこんな気持ちなのかな」って、想像したりもしたよ。
その後、無事に団長の意識は戻ったんだけど、やっぱり、どこか不安だった。
顔が傷だらけだったあの写真のインパクトが強すぎたんだろうね。団長の自宅にお見舞いに行く時も、すごく緊張したのを覚えてる。
でも、実際に団長に会って、顔を見て、話をしたら、すぐに安心できた。
顔の傷も思っていたよりも回復していて、「あ、これは死なないな」って思って、そこで初めて胸をなでおろした。
安心したら、急にお腹空いちゃって…団長がいろんな人からもらっていたお見舞い品のケーキとかをたくさん食べちゃった(笑)。
しかも、わざわざ団長が切ってくれたんだよね。「なんでケガ人の俺がケーキ切らなあかんねん」とかって、言いながら(笑)。帰る時には、お土産までもらっちゃったよ。
団長の事故が公表された後も、「ボクにとって団長は大切な人だから早く元気になってほしい」的なことをツイートしたら、連絡がつかなくなっていたキャバ嬢3人から連絡がきたのもラッキーだった(笑)。最終的にはデートだってできたし、これも団長のおかげだね(笑)
いろんなことがあったけど、団長もHIRO君もとにかく無事でよかったしん。
この経験があってから、この先、もし誰か1人欠けたとしても、ボクは「安田大サーカス」って名前を名乗り続けようと決めた。
例え、最終的に、ボク一人になってもね。
自分たちは三位一体でずっとやってきたんだし、「安田大サーカス」って存在は、もうボクにとって、大切なんだって改めて気づけたから。
(構成/AERA dot.編集部・岡本直也)