「菅さんが最終的に出馬を決めるのに、森山さんが重要な役割を果たしたので、新官房長官は森山さんになるかもしれない。河野太郎説も出ていますが、ちょっと、自分を主張しすぎる」

  新総裁の任期は来年9月まで。菅政権は1年限りのつなぎで、短命政権との見方もあるが……。

「絶対、そんなことにはならない。菅政権は、長期政権になる。安倍さんの内閣支持率が悪くなったのはモリカケや『桜を見る会』の問題があったから、国民は首相が信頼できないと考えるようになった。菅さんの強みは、安倍流のマイナスがないということ。安倍さんのマイナス要因とは、奥さんの昭恵さん、友達優遇。この2つのマイナスが菅さんにはない。歴代首相の中では竹下登さんに近い。ただ、調整型と言われた竹下さんと違うのは、菅さんは攻めるからね。梶山静六元官房長官に師事していたことがあるだけに、攻撃力がある。大乱世の梶山と呼ばれた人だからね。 菅さんには安倍総理をバックに持ちつつ、二階さんと強く組むうえに、若くて人気のある河野太郎さん、小泉進次郎さんの2枚看板も手の内にある。彼らを育てていけば、長期政権もありうる」

 小泉進次郎氏が妻の滝川クリステル氏を最初に紹介した政治家は菅氏だった。

「菅さんは進次郎さんの一番の後見人ですよ。菅さんは進次郎さんをいいところで使いますよ。安倍さんみたいに意地悪はしません。進次郎さんを光らせるように扱うでしょう」

 そんな菅氏は、地盤である自身の選挙区ではどんな顔を見せているのだろうか。2005年秋から11年3月まで、菅氏の私設秘書を務め、現在は横浜市議3期目の遊佐大輔氏(39)は、菅氏の秘書になった経緯をこう振り返る。

「私は横浜高校野球部で、西武ライオンズの松坂大輔投手の一級下の後輩なんです。その後、ケガのため退部しますが、高校卒業後は桜美林大学に進学しました。しかし、祖父の会社がたち行かなくなって、大学を辞め、アルミ缶とスチール缶を扱う民間のゴミ工場に就職したんです。その会社の社長が菅さんをずっと応援してきた関係で、私も、菅さんの選挙のボランティアをするようになりました。菅事務所でたまたま秘書が辞め、空きが出たタイミングがあって秘書にしてもらいました。菅さんに拾ってもらったようなものです」

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7年8カ月ほとんど地元に帰れなくても支持基盤は盤石