外交などでも重要な役割を果たす総理大臣夫人は「ファーストレディー」とも呼ばれる。次にその地位に就くのは9月14日に自民党総裁選を制した菅義偉官房長官(71)の妻・真理子さんだが、人物像はほとんど知られていない。関係者に取材すると、“地味すぎる”素顔と数々の“意外すぎる”秘話が浮かび上がった。
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「菅君が結婚前にマリちゃんをうちに連れて来て、フィアンセとして紹介されました。『どっちがプロポーズしたんだよ』と聞いたら、照れてマリちゃんのほうを見て『おまえのほうからだったよな』と言う。マリちゃんを見たら『あなたのほうからじゃない』と言い返して、3人で笑ったのを覚えてます」
と、話すのは菅義偉氏と法政大学で知り合った親友の寺田修一氏(71)。まもなく、横浜市内のホテルで二人は挙式した。
この「マリちゃん」こそ、菅氏の5歳下の妻・真理子さん。菅氏が総理の座に就いたら、ファーストレディーになる女性だ。メディアへの登場もほとんどないが、どんな人物なのか。菅氏の選挙事務所長を長く務めた齋藤精二氏が語る。
「普段は人前に出ることがなく、事務所に来るのは選挙期間中だけ。朝、一番早くやって来て、事務所の前をホウキがけしています。昼は電話かけをひたすらこなす。寡黙でも彼女なりに貢献しようとしていて、存在感は大きい。政治家の妻には出しゃばりな人も多いですが、真理子夫人は本当に控えめですね」
めったにマイクを握らないが、菅氏が地元に帰れない場合、集会で挨拶することもあるという。
「真理子さんが戦車(選挙カー)の上に乗って演説しているところは見たことがない。ミニ集会で挨拶する時は、事前に私に何をしゃべったらいいか聞いてくるくらいですよ。短く、夫が不在の詫びと、『一生懸命がんばりますので、皆さんよろしくお願いします』と話すだけ。それで十分なんですよ」(齋藤氏)
現在の総理夫人と比べると“地味すぎる”くらいだが、堅実に夫を支えてきた真理子さん。前出の寺田氏は二人の新婚時代をよく覚えている。