

コロナ禍の公開となった映画「8日で死んだ怪獣の12日の物語」を手掛けた岩井俊二監督。生活スタイルや心境にどんな変化があったのだろうか。
【前編/岩井俊二「チィファの手紙」は震災をきっかけに…コロナ禍で人に与えるものは?】より続く
「僕自身、新型コロナウイルスの拡大で一番困ったのは、せっかくいろんな国で映画が撮れる環境が手に入っていたのに、進めていたプロジェクトが止まってしまったことです。映画のプロジェクトって常に三つ四つ並行して進んでいて、すべて完走できるわけじゃないのですが、すべてが一旦止まったことは残念でした。でも、『怪獣』のように、新しいことにチャレンジする気持ちが生まれて、今は結構元気でいます」
最近の生活スタイルに話が及ぶと、「ここ数年は、読書量が増えています」とのこと。iPhoneの読み上げ機能を活用し、散歩の時間に耳から読書を楽しんでいるという。
「文字を目で追うのって、“ながら”ではできないけれど、音声ならできるんですよ。何かに気を取られていても、音声は耳からずっと入ってくる。2時間の散歩の時間に短い小説なら一冊読めてしまいますからね」