「けやき坂」は東京・六本木にある坂で、「さくら坂」はけやき坂を曲がったところに実在する。宗像さんは言う。
「平手さんに、『角を曲がる』というソロ曲があります。『櫻坂46』の新グループ名が発表されたのは、その曲のミュージックビデオが発表されてジャスト1年というタイミングでした。そのタイミング、『角を曲が』った先の坂道の名前、しかも画数も同じ。ファンの間でも、その関係性について熱く語られています。この仕掛け方で、人に語らせる熱量みたいなものをここへきて復活させたというのは、さすがだなと感じました。物語性のポテンシャルはまだまだ高いグループだと思うので、今までのイメージをいい意味で裏切ってくれる気がします」
実在する二つの坂がひと続きの道であることに、前出の三杉さんは注目する。
「これまでのグループとしての道のりや良さを大切にしつつも、グループとして新たに生まれ変わり、さらに成長できればという思いがあるのではないでしょうか」
グループのイメージカラーも、現在の緑から白に一新されるという。宗像さんは、この色の意味するところをこう分析する。
「欅坂のグループカラーは緑ですが、『黒い羊』という曲もありましたし、ファーストアルバムのタイトルも『真っ白なものは汚したくなる』でした。衣装の色も含め、世間的なイメージは濃い青、濃い緑、そして黒といった暗めの色のイメージが強いと思うんです。それを『白』という180度違うものに変えるというわけですから、これからのグループのイメージも、相当変えてくるんだろうなという予感がしますね。欅坂のほうが先輩グループでしたが、運営側があえて『櫻坂は日向坂の後輩グループ』と位置付けたりしたら、また面白いですね」
グループのキャプテン菅井友香は発表に伴い、こうコメントした。
「日本を代表する花の名前をグループ名として名乗れることを凄く嬉しく感じましたし、この名に恥じないような誇り高いグループになりたいと強く思いました。(略)そしてファンの皆さんと一緒に満開の花を咲かせられるように頑張っていきたいと思います」
“櫻の花”が、この秋、満開に咲き誇る予感だ。(本誌・太田サトル)
※週刊朝日オンライン限定記事