アイドルとして、俳優として活躍を続ける、嵐の二宮和也さんがAERAに登場。主演作の公開を控え、「有事には、エンタメは最初にいなくなって、最後に戻ってくる」と語った。AERA 2020年10月5日号から。
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「よろしくお願いしま~す」
スタジオに入ってくると、リラックスした表情でカメラの前に立った。フォトセッション中も自然体で本誌表紙フォトグラファー、蜷川実花と和やかに談笑し、だが、シャッターが切られる瞬間ごとに、求められる表情を的確に表現した。
オンとオフの見分けがつかない。
「切り替えスイッチの有無」を尋ねると、「ないです」と即答した。どんな場でも同様で、幼いころから歌やダンス、バラエティー、芝居とジャンルを問わず幅広く挑戦するなかで、自然と身についたものだという。
「こうなりたい、という何かを目指してやってきたわけではなくて、いま、目の前に与えられたことを懸命にやる。その連続でここまで来たんだと思います」
主演映画「浅田家!」で演じたのは、「家族」をテーマに作品を撮り続ける実在の写真家、浅田政志だ。
「家族の絆」「写真が持つ力」をテーマにした物語をつくっていくなかで、改めて自分の家族についても考えた。
「13歳の頃から毎日(レッスン場がある)六本木に通って、親としては不安だったかもしれません。当時は地下鉄は携帯が通じないことが多くて、携帯とPHSの複合機を持たされてましたね。懐かしい!(笑)。13歳の子どもの頃からこの世界に入ったから、家族の支えなくしてはとても続けられなかった。本当にありがたいなって。コロナ禍の今だからこそ、この作品で家族のありがたみやあたたかさを感じてもらいたいですね」
(ライター・大道絵里子)
※AERA 2020年10月5日号