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30歳の若さで急逝した三浦春馬さん。多くの出演作品を残し、今でもわれわれに影響を与え続けている。三浦さんは、その演技の実力もさることながら、作品を語る言葉も魅力に満ちている。自分の頭で作品の意味を考え、感じたことを自らの言葉で語ることのできる俳優だった。「14歳の母」から「せかほし」まで、出演作品や番組を「本人の言葉」で振り返りたい。
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三浦さんは7歳のとき、NHK連続テレビ小説「あぐり」でデビュー。17歳で出演した映画「恋空」で日本アカデミー賞新人俳優賞に輝き、その後も話題のドラマや映画に出演。映像作品のみならず、舞台での評価も高く、ミュージカル「キンキーブーツ」では審査員の満場一致で杉村春子賞(2017年)を受賞した。
若手実力派俳優として成長し、亡くなるまで仕事が途切れることはなかった三浦さん。数えきれないほどのテレビ、新聞、雑誌などのインタビューを受けてきた。その中から三浦さんの人となりを表すような印象的な言葉を抜粋して紹介していく。
【14歳の母】
中学生の妊娠を題材にした2006年放送の連続ドラマ。三浦さんは、志田未来さん演じるヒロインの相手役だった。多感な年ごろに、難しいテーマをしっかり受け止めていた様子。
「中学生の妊娠っていうのは問題が大きいから、僕もいろいろ考えてみているんですけど、正解もないし、間違いもないんですよね。だからドラマの結末はあくまで答えのひとつなんです。これからどうなるのか、智志(三浦さんの役)と未希ちゃん(ヒロイン)がハッピーエンドで終わるのかどうか、最後まで温かく見守ってください!」(週刊女性 2006年12月12日号/16歳)
【恋空】
2007年11月公開の映画。ケータイ小説を原作としたラブストーリーで、三浦さんはこの映画で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。
「『恋空』の台本を読んだときは素直に泣けてしまいましたね。(中略)撮影中は、もちろん楽しいっことばかりじゃなくて、重いシーンが多いだけに、感情移入が大変でしたね。(中略)『カット』の声でメリハリがつけられるようになったのは、しばらく経ってから」(JJ 2008年3月号/17歳)
同じ年に映画「奈緒子」も撮影。2本の映画をやりきったことは自信につながったという。
「昨年『恋空』と『奈緒子』という2本の映画を撮ったことで、本番前の役の気持ちの作り方や集中の仕方、そしてひとつの作品を作り上げる喜びを、これまで以上に深く見出せるようになったという手応えは感じています。これまでより演技に自信を持てるようになったかな」(an・an 2008年2月13日号/18歳)
【君に届け】
少女コミックを原作にした青春映画で、2010年9月に公開。地味で暗い女の子が、誰からも好かれる風早翔太(三浦さん)と出会うことで周囲との関係が変わっていくストーリー。
「お話をいただくまで(原作コミックは)読んだことはなかったし、抵抗はありました。でも読んでみたら……案外好きだなって(笑)」(ピクトアップ 2010年10月号/20歳)
三浦さんの役は少女漫画のいわゆる「王子様」的な存在として描かれている。リアリティに欠ける役柄に息を吹き込むのも役者の仕事。
「何かを参考にするとかじゃなくて、もう原作しかなかったです。(中略)現場には原作を5巻くらい持って行って、原作と台本を見比べながら演っていました」(同)