前出であげた、仕事を解雇されたりした6万人が、旅行へ出かけるだろうか? 生活が苦しく、自殺を選んでしまった人たちは、どうだったろう? とてもじゃないが、そんな余裕などないはずだ。しかし、彼らの税金もこのキャンペーンには使われている。

 もちろん、あたしの支払った税金も使われている。あたしは死ぬほど困っている人たちにこそ、使われて欲しい。そういう声が多くなるといい。 ちなみに「Go Toキャンペーン」で業務委託され税金が流れた団体は、これを推した政治家に献金をしていたりする。汚い。

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

週刊朝日  2020年10月16日号

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