01年福岡世界選手権後の8月下旬から、オーストラリアのブリスベンで開かれた国際総合大会のグッドウィルゲームズに北島と参加しました。オーストラリア、米国、欧州選抜、日本が入った世界選抜の4チームによる対抗戦です。このときブラジル、ニュージーランド、ペルーといった多くの国のコーチと仲良くなりました。

 03年のバルセロナ世界選手権では、ブリスベンで友人になった各国のコーチたちと「よっ、久しぶり」と声を掛け合いました。

 北島が初出場した00年シドニー五輪では私も緊張していて、01年福岡世界選手権の男子100メートル平泳ぎでは北島とともに興奮しすぎて失速した反省がありました。海外のコーチたちと世界大会のプールサイドで会話を交わすことで、辰巳国際水泳場のようにリラックスできるようになったのです。選手にもいい影響を与えたと思います。

 ISLには日本から若手のコーチも参加します。私にとってのブリスベンの大会のように貴重な経験が積めるはずです。

(構成/本誌・堀井正明)

平井伯昌(ひらい・のりまさ)/競泳日本代表ヘッドコーチ、日本水泳連盟競泳委員長。1963年生まれ、東京都出身。早稲田大学社会科学部卒。86年に東京スイミングセンター入社。2013年から東洋大学水泳部監督。同大学法学部教授。『バケる人に育てる──勝負できる人材をつくる50の法則』(朝日新聞出版)など著書多数

週刊朝日  2020年10月16日号

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