裁判は今後どう進むのか。被告が高齢なので「10年裁判」に持ち込み、真相をあいまいにしようとしているのではないか、とまで指摘される。「10年は長いことを象徴する言葉だが、そこまで長くなるとは思えない。検察側は主に、車の異常はなかったということと、被告が踏み間違えたという立証をしていくことになるでしょう」(松尾慎祐弁護士)
初公判後の記者会見で、真菜さんの夫の松永拓也さん(34)は、こう語った。
「この1年半の間は、私たち遺族は本当に苦しみと悲しみに向き合いながら生きてきました。(被告が)車の不具合を主張するのであれば、私は別に謝ってほしくはない。謝るならば、しっかりと罪を認めて。判決が出た後に本当に申し訳ないと思うのであれば、その時で私はいいと思っています。ただただ、本当に残念でなりません」
毎日、交通事故の遺族が生まれている。同じような事故を繰り返さないためにも、真実が明らかになることを願う。
(本誌・上田耕司)
※週刊朝日 2020年10月23日号