強打の右打者ではトップクラスの実力を誇る中央大・牧秀悟 (c)朝日新聞社
強打の右打者ではトップクラスの実力を誇る中央大・牧秀悟 (c)朝日新聞社
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 いよいよ今月26日に迫ったプロ野球ドラフト会議。12日には高校生と大学生のプロ志望届提出も締め切られ、あとは当日の指名を待つだけとなった。ここからは各球団の情報戦も活発になってくることが予想されるが、現在の戦力や選手の年齢構成から各球団へのおすすめ指名選手を紹介したいと思う。今回は現在(10月13日終了時点)パ・リーグAクラスの楽天ロッテソフトバンクの3球団だ。

【写真】平成で最もカッコいいバッティングフォームはこの選手!

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【楽天】投手陣が高齢化。大エースとなれる素材を最優先に

 オフの大型補強が奏功し開幕当初は首位争いを演じたものの、徐々に失速して3位争いにとどまっている楽天。野手に関しては確かに選手層が厚くなったが、投手は数年後を考えるとかなり不安要素が多い。先発はロッテから加入した涌井秀章が奮闘しているものの、則本昂大と岸孝之にはっきりと衰えが見られており、松井裕樹も結局リリーフに戻っている。ドラフト上位で獲得した投手が松井以外はほとんど戦力になっておらず、数年後のローテーションはかなり不透明だ。

 そこでまず狙いたいのは高校生の大物投手だ。第一候補はやはり高橋宏斗(中京大中京)になるだろう。これまで獲得してきた安楽智大や藤平尚真と比べても完成度が高く、若手投手陣のテコ入れとしてこれ以上の人材はいない。高橋を競合で外したとしても中途半端な即戦力に向かわずに中森俊介(明石商)、小林樹斗(智弁和歌山)などの高校生投手を積極的に狙うべきだろう。

 野手の選手層は厚く、無理に即戦力を狙う必要はないが、足りないのは若手の強打者タイプだ。昨年2位で指名した黒川史陽に続くような高校卒の有望株を一人は確保しておきたい。上位は投手で埋めると考えて3位以降で狙えそうな選手となると内野手なら入江大樹(仙台育英)、外野手なら漁府輝羽(おかやま山陽)あたりが候補となる。ともに時間は少しかかるタイプではあるが、大型で飛ばす能力に関しては高校球界でも上位なだけに、ぜひ狙ってもらいたい選手たちだ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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