段田:今回は戦後すぐ上演されたものをもとにしてやろうとしてるんですけど、「このセリフはどの改訂版でやるか」とか、いろいろ考えました。
林:最後に有名な「自分が選んだ道ですもの」というセリフがありますね。あれをどんなふうに聞かせようかも、いろいろ考えてるんでしょうね。
段田:「放浪記」でもそうですけど、誰でも知ってるセリフ、芝居を見てない人でも知ってるセリフというのがあって……。
林:ええ、毎回「来るわ、来るわ」と思いながら見てます。
段田:あまりに「看板ゼリフ出しました!」みたいになるのは恥ずかしいので……と言いながら、サラサラッと言っちゃって、「えっ、終わっちゃった?」みたいなのも具合悪いし、そこは大竹さんと相談しながらですね。でもサラサラッとではなく、「お、カッコいい」と思っていただきたいなと思ってます。
林:大竹さんって、演出家の言うとおりにやる方なんですか。それともはっきりおっしゃる方なんですか。
段田:僕は俳優としてしかおつき合いがないんですけど、演出家の言う方向へ行こうとする姿勢の方だと思います。でも、大竹さんって学級委員長だったらしいんですよ。イヤなことがあると「先生、これおかしいと思いますっ!」みたいなことを言っていたらしいんです(笑)。だからあんまり適当なことを言って、「段田さん、それおかしいと思います!」っていうのが来たら困るなと思っています(笑)。
林:大竹さんは誰もが認める演技派ですけど、今回初めての「女の一生」の布引けい役が決まって、嬉しいでしょうね。
段田:「欲望という名の電車」も杉村さんの代表的な芝居ですけど、これも大竹さんが演じていらっしゃいますし、ほかでも杉村さんがやってらしたのを演じてますから、「女の一生」もやろうと思われたのかもしれませんね。
林:きっと大竹さん、すごい演技をするんだろうな。
段田:ほっといても、すごいことをやってくれると思います(笑)。
林:コロナの影響で席を半分にするんですか。
段田:そうなんですよ。
林:今、俳優さんで広く名前が知れた方でも、お仕事がなくて大変な方がいっぱいいらっしゃるみたいですね。