──あなたも結局、トランプ氏との衝突は避けられなかった。振り返ってトランプ氏との接し方に後悔はありませんか。
ポストを引き受けたことは今でも、正しい行為だったと考えています。
もちろん、よりよい意思決定方法、もっとましな働き方が見つけられていたら、喜んで試していたでしょう。問題の一端は私が政権発足15カ月後に着任したことでした。政権移行期と最初の15カ月を通じて、トランプの習慣や態度、彼の疑念や恐怖心の相当な部分がすでに固まっていました。
トランプが大統領職という仕事の影響力、責任の重みを完全に理解することは決してなかった。だから彼の行動を抑制しなければならなかった。けれども、私が政権入りした時点で、もはやそれは不可能でした。
──この本の出版にあたって、トランプ氏はあなたを「犯罪者」呼ばわりしました。自他共に認める保守主義者のはずのあなたが、元同僚たちからまるで接触不可の人物のように扱われています。
そうですね。トランプの時代の政治はこういうものです。個人的な中傷や攻撃、大統領の権力乱用。もちろん、本を書くことを考え始めた時や、書いている最中も何度か、出版後に何が待っているか、やる価値があるか自問しました。
中止にすれば私は相当な痛みを免れることができた。でも結論は、歴史のためにこれを書くことが大切だと考えました。それまでトランプは私を脅したことは一度もなかったのに、この段階で脅しを許すべきではないとも考えました。結論は、有権者が大統領選投票日に判断することです。
──出版前審査や裁判闘争にあたって、ホワイトハウスは最初から、機密情報の有無を点検するのが目的ではなく、あなたを貶めるために動いていたように見えます。
大統領はどうしてもこの本に選挙の投票日より前に出てほしくなかった。致命傷になりうると知っていたからです。
(言論の自由を定めた)合衆国憲法修正第1条に照らして許容されない。最終的には我々が勝利すると考えています。