オンライン会議アプリ「Zoom」を使って、遠く離れた施設でも顔を見ながらやり取りが可能に(写真/株式会社メドレー提供)
オンライン会議アプリ「Zoom」を使って、遠く離れた施設でも顔を見ながらやり取りが可能に(写真/株式会社メドレー提供)
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施設側がスマートフォンやタブレットなどのカメラを駆使して、施設各所を案内。実際に歩いて見学しているような気分が味わえる(写真/株式会社メドレー提供)
施設側がスマートフォンやタブレットなどのカメラを駆使して、施設各所を案内。実際に歩いて見学しているような気分が味わえる(写真/株式会社メドレー提供)

 高齢者ホーム選びに欠かせない見学。自分の目で見て、スタッフと話すことで得るものは大きいはず。しかし今はコロナ禍で「見学に行きづらい」「見学できない」という悩みも。そんな中、無料の「オンライン見学」が注目を集めています。現在発売中の『高齢者ホーム2021』(週刊朝日ムック)で取材しました。

【写真】施設各所を案内してくれるオンライン見学の様子はこちら

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■新型コロナの影響で、施設が見学できない!

 高齢者ホームを探すにあたり、まずはインターネットなどで情報収集をします。ある程度しぼれたら、その施設を見学して総合的に判断していきます。ところが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、施設見学を中止しているところが少なくありません。見学者の受け入れは、施設入居者や職員の感染リスクにもつながるためです。
 
 老人ホーム検索サイト「介護のほんね」(運営:株式会社メドレー)では、2020年7月から全国各地の介護事業者と連携した「オンライン見学」サービスを開始しました。

 「新型コロナ陽性者が少しずつ増え始めた2~3月から、介護施設での見学制限が始まりました。そこで、私たちにできることはないかと考え、『オンライン見学』を思いつきました」

 そう話すのは、株式会社メドレー介護のほんね推進グループの吉田晃之さん。早速、つながりのある介護施設にアンケートをとってみたところ、約6割が「興味がある」と回答。迅速に導入でき、操作性の簡便さも考慮し、オンライン会議アプリ「Zoom」を採用。パソコンやスマートフォンを使い、「Zoom」のビデオ通話によって施設担当者とやりとりできるようにしました。

 約500施設からサービスを開始し、2020年9月現在、約600施設が参加。登録施設全体の5~6%で、首都圏の施設が多いものの、導入検討中の施設もあり、今後は全国的にさらなる増加が見込まれます。

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