不名誉な「スーパー・スプレッダー」となり、それを挽回しようとマスクなしで集会を続けるトランプ氏には批判が集まり、支持率低下として表れた。政治ニュースサイト「リアル・クリア・ポリティクス(RCP)」によると、世論調査機関の支持率平均は10月13日現在、バイデン氏が51.5%、トランプ氏が42.3%とバイデン氏がリードを広げている。

 しかし、2016年選挙でも民主党候補のヒラリー・クリントン元国務長官がリードしていたにもかかわらず、トランプ氏が勝利した。米市民はその驚きの記憶から、世論調査は「不確かだ」「一部を除いて不確かだ」と答えた人が81%に上る(米誌ザ・ヒル、18年12月発表)。20年の世論調査を果たして信じていいのか──。

■世論調査の精度上がる

 世論調査機関は、16年の轍(てつ)を踏まぬようにと、調査方法を改定してきた。世論調査関連ニュースサイト「538(ファイブサーティエイト)」が15の調査機関に聞き取りしたところ、複数が低学歴・高学歴、低所得・高所得、異なる人種の市民をバランスよく獲得すること、自動応答の電話だけではなく対人の聞き取りを増やすことなどの工夫を凝らしている。従来の方法では、16年のように世論調査に応じない「隠れトランプ支持者」が「低所得」「白人」「低学歴」といった特定の層に偏り、十分なデータがとれなかったためだ。(ジャーナリスト・津山恵子=ニューヨーク)

AERA 2020年10月26日号より抜粋

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