戸塚祥太(以下、戸塚):僕は元野球部という設定で。野球部ではなかったし、まったく野球部っぽくないと思うんですが(笑)。ブレーン的な役回りではあるんですが、他のキャラの濃さに比べたら、観終わった後に印象に残らないなと思ったんです。自分でどうにかしないと、と監督に相談して髪形を重くしたり、ハイネックを着たり、少しビジュアルを気持ち悪い感じに寄せてみました。

 島の高校の女性教師(小島藤子)から、「祭りを復活させる手伝いをしてほしい」との依頼を受け、応援屋の奮闘が始まる。5人全員が彼女にときめき、その一挙手一投足に舞い上がって「変顔」を披露したり、風呂場で作戦会議をしたりと、思わず噴き出してしまう場面も満載だ。

橋本:変顔は、5人の中で俺が一番勝っている自信があります。監督がOKを出しても「まだいけます」と、5秒のシーンを1時間かけて何度も撮りました。A.B.C−Zのセンターとしてこれは負けられないな、と。

塚田:みんな時間かけたよね。お風呂のシーンも多くて、いろいろとさらけ出してますね。肌の露出も監督がギリギリを攻めてくださって、「あと1センチ右、あ、出ちゃった」とか調整しながら撮ってました(笑)。

戸塚:お風呂場で河合の乳首を触るシーンがあるんですけど、あれも監督のこだわりです。

河合:楽しかったけど、薪でたく銭湯で撮影していて、温度管理をする人が途中で帰って、めちゃめちゃ寒くなったんだよね。

五関:そう、11月だったし。お風呂シーンは普段の5人の関係性というか、仲の良さが透けて見えて、好きな場面ですね。

橋本:やっぱり、一番思い出深いシーンと言えば祭りの踊りじゃない? 僕、五関くんの振り付けが大好きで、普段はすぐ覚えるんですけど「雷神の舞」は撮影当日まで覚えられなかった。だから、みんなで踊ってキマったときはうれしかったですね。

(ライター・大道絵里子)

AERA 2020年11月2日号より抜粋