完全菜食主義ともいわれる「ビ―ガン」※写真はイメージです(Getty Images)
完全菜食主義ともいわれる「ビ―ガン」※写真はイメージです(Getty Images)
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不足しがちな栄養素があることは知っておきたい(取材をもとに編集部で作成)
不足しがちな栄養素があることは知っておきたい(取材をもとに編集部で作成)

 肉や魚だけでなく、卵や乳製品など動物由来のものを一切口にしない完全菜食主義の「ビーガン」。近年、環境に優しいライフスタイルとして日本でもビーガン対応のカフェやレストランが続々とでき、ちょっとした“ブーム”になりつつある。ヘルシーなイメージの一方で、特定の栄養素が不足しがちといった心配も。専門家に取材した。

【注意!】完全菜食主義で不足しがちな栄養素とは?

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「キンパ食べたい。私、最近ビーガンになったので」

 ビーガンの波は“女子会”にも押し寄せている。キンパとは韓国のり巻きで、具は野菜だけという種類もある。30代女性の場合、それまで友人らと集まって食事をするといえば、新大久保の韓国料理店でヤンニョムチキン(鶏のから揚げ)やサムギョプサルを食べるのが定番だったが、次回の店を決める際、とある友人がまっさきにLINEで「動物性抜きがいい」という希望を伝えて来たのだ。

 その友人は、コロナ禍の自粛期間中にドキュメンタリーを観て、環境問題に目覚めたという。プラスチック製品はなるべく購入せず、竹の歯ブラシを使う。そうしたライフスタイルの一環として、食生活はビーガンを取り入れているそうだ。

 友人の徹底ぶりに驚かされたが、この30代女性も最近、大豆ミートなどの食材を取り寄せて食べることが増えた。ここ数年、毎日肉を食べる必要があるのか、疑問に感じていたという。

「私は似非だから(笑)。きっかけは、ビーガンと公言している人のSNS。若くて、情報感度が高くてすてきな若い子が多かったんですよね。地球にも、動物にも優しい考え方をする人が多かった」

 次回の女子会は、ビーガン専門のレストランでの開催になりそうだという。

 ベジタリアンが市民権を得ている海外に対し、日本では菜食主義もなじみが薄いこともあってなかなかビーガンは浸透しなかった。ところが、ここ数年、ビーガン対応のメニューがある飲食店が続々とオープン。チェーン店のカフェなどでも大豆ミートを取り入れたメニューなどを用意するようになった。環境意識の高まりからか、若い世代に急速に支持されていった印象だ。

 ビーガンは菜食主義の中でも、特に制限が厳しい。「完全菜食主義」とも訳され、肉や魚を食べないことはもちろん、動物由来の食材は一切口にしない。牛乳やバター、チーズなどの乳製品もダメ、卵もダメ、ハチミツもダメ。動物を殺していなくても、人間のために動物を“搾取”しているのがよくないとされるからだ。

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実はダイエットに不向き?