考えてみれば橋下府政・市政のもとで、都構想を前提にムダと断定され壊されたものは少なくなかった。児童文学の研究機関として役割を果たしてきた大阪府立国際児童文学館を閉館させたり、ジェンダー平等の拠点ドーンセンター(大阪府立男女共同参画・青少年センター)の機能を縮小し、DV等の女性の法律相談・医療相談を廃止したり。オレに必要のないものはムダ、なぜならムダだからムダ、という強引さで推し進めてきたDV男冥利に尽きる政治にみえる。

 維新は、今の日本の政党のどこよりも日本的男尊女卑感の強い政党のように私には見える。「うがい薬会見」のときも、堂々と「無理な買い占めをしなければ、(うがい薬が)なくなることはない」と当たり前のことを堂々と、松井市長はふんぞりかえって言っていたが、言い間違いかと思った。オレの言うことを聞け、いろいろ難しいこと考えずにポビドンヨードでうがいしとけばいいんじゃ、医療従事者のコロナ対策は雨がっぱでいいんじゃ! そんな科学的根拠のない「男気」を振る舞い、住民投票で負けても「政治家冥利に尽きる」と意味不明に不遜。
 
 これを機に、大阪から維新的男尊女卑マッチョの空気が薄れ、おばちゃんたちに住みやすい社会をつくっていってほしい。やさしい大阪を取り戻してほしい。

北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表

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