放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は、ファミリーマート「FAMIMA CAFE (ファミマカフェ)」のブレンドコーヒーを取り上げる。
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女性タレントに比べて圧倒的に男性タレントに多いのがコーヒーマニア。
スタジオの前室には、局内の食堂やレストランから届けられるポット入りが置かれている。
正直、ものすごく美味しいというワケではないのだけれど、スタジオの出入りや途中休憩など、紙コップにコーヒーを注いでいる男性タレントや文化人をよく見かける。
なかには、打ち上げで当たったコーヒーメーカーを番組のために提供するスタッフも。それぐらい、コーヒーは現場に不可欠なのだ。
ドラマの差し入れとして“コーヒーバス”が利用されることも。韓国ドラマの撮影現場で流行りだした「移動式カフェ」で、冬場には演者はもちろん、男性スタッフらが行列を作るという。
「困るのは、近場ではないロケ先での美味しいコーヒーの確保です」とはバラエティー番組のデスク。「ロケバス屋さんが朝、積んできてくれるポットのコーヒーはすぐ切れる。“スタバ”などは郊外に何軒もあるワケではないのでコンビニを見つけると走るのですが、そんな折、『ファミマ』のコーヒーが抜群に美味しくなったことは本当に助かっています」(同デスク)
『ファミリーマート』は「FAMIMA CAFE」の主力商品「ブレンドコーヒー」をリニューアル。稲垣吾郎さん出演のCM「本当においしいブラックコーヒーは、甘い。」のとおり、深煎り豆の配合率を従来比の1.5倍以上に増やしたコーヒー豆本来の甘さとコクが特徴の「甘味焙煎」だ。これは、温度と時間を徹底管理し、化学反応をコントロールすることで、果実由来の甘みを引き出す焙煎方法。今回、ファミマの担当者とタッグを組んで共同開発したのは、「WORLD BREWERS CUP 2016」でアジア人初の世界チャンピオンに輝いたバリスタ、粕谷哲氏だ。
「コーヒーはワインを追ってきた」と粕谷氏は言い、中学時代に見た稲垣さん主演のドラマ『ソムリエ』(フジテレビ系)が「本当にカッコ良かった」と、今回の稲垣さんとの縁を喜んだ。稲垣さんは東京・銀座でビストロとカフェをプロデュース。自宅でも自身で豆を挽いてコーヒーを嗜(たしな)む稲垣さんだが「好きな散歩中、必ず立ち寄る」のが「FAMIMA CAFE」だという。
同時発売の「高級モカブレンド」を含め、通が唸る味わい。ぜひともご試飲あれ。
山田美保子(やまだ・みほこ)/1957年生まれ。放送作家。コラムニスト。「踊る!さんま御殿!!」などテレビ番組の構成や雑誌の連載多数。TBS系「サンデー・ジャポン」などのコメンテーターやマーケティングアドバイザーも務める
※週刊朝日 2020年11月13日号