平日の生活習慣で最も顕著な変化が見られたのは10代だ。起床時刻は外出自粛前に平均午前6時45分だったのが、自粛後は午前7時37分に。就寝時刻は午後11時55分から、午前0時14分にずれ込んだ。
平日の寝る時間、起きる時間が遅くなり、生活リズムが夜型化する傾向は10代から30代に共通していた。一方で、休日は生活リズムに変化は見られなかった。その結果、これまで問題視されていた平日と休日の生活リズムの差が大きく解消されていることが分かった。
とりわけ10代は、外出自粛前に平均1時間あった平日・休日の社会的時差ボケが、平均20分まで大幅に短縮。平日の睡眠時間は全年齢で増加していた。一方で、「睡眠の質が改善した」と答えた人は全体の2割程度で、外出自粛による生活リズムの改善が睡眠の質の改善には結びついていないことが分かった。
これについて柴田教授は「外出自粛による精神的な苦痛やストレスが影響しているのでは」との見方を示す。
では、こうした生活リズムの変化は体重にどう影響したのか。
5キロ減量した人の休日の就寝時刻は平均15分間早くなる一方、体重が5キロ増えた人の休日の就寝時刻は平均13分間遅くなっていた。つまり、体重が減少した人は朝型化し、体重が増加した人は夜型化している傾向が浮かんだのだ。
睡眠の質との関係では、体重が5キロ増加した人の平均スコア(1とても悪くなった、2悪くなった、3変わらない、4良くなった、5とても良くなったの平均値。高いほど睡眠の質が良い)は2.7だった半面、5キロ減量した人の平均スコアは3.2と高めになった。体重が増加した人のほうが睡眠の質が悪化していることが示された。
太った人はやせた人に比べ、外出自粛中に活動量が低下し、ダイエットに挑戦しなかったと答えた人が多く、間食も増え、さらに睡眠の質も低下したと回答。いずれも年齢による違いは見られなかった。