生理や妊娠、性の問題など女性の悩みをテクノロジーやアイデアで解決する「フェムテック」。欧米発の市場だが日本でも盛り上がり始めている。AERA 2020年11月16日号は、ナプキン不要の生理用ショーツ、卵巣に残っている卵子の数が何歳相当かわかるキットを紹介すると共に、注意点についても解説する。
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従来ある商品を改良したものに加えて、今までになかったような商品も出てきた。その一つが生理用ナプキンのいらない吸水ショーツだ。欧米では数年前から流通し始め、近年は国産メーカーも生まれている。
BLAST Inc.(東京都)が運営する生理用品ブランド「Nagi」は今年5月からオリジナルの吸水ショーツを販売している。黒やベージュ、パープル、ブルー、グリーン、オレンジの6色があり、1枚5千円ほど。1日使った後はぬるま湯につけ、洗濯機で洗える。公式オンラインショップのみでの販売だが、発売から1週間で2千枚が完売したという。
なぜ、ナプキンなしで平気なのか。CEOの石井リナさん(30)が解説してくれた。
「吸水部分は、機能素材を4枚重ね合わせています。ショーツは3タイプ用意しており、フルタイプはそのほかのタイプと違い、吸水面を腰まで広げているため、少ない日であれば夜でも使用できます。ナプキンがないだけでこんなに快適だったのか、と感動される方が多くいらっしゃいます」
肌に触れる1枚目には吸水速乾性のある生地を使用しているので、べたべたした状態の不快感を与えない。2枚目は吸水生地。3枚目は銀を配合しており、においの原因菌を抑制する。4枚目は外に漏らさないよう防水生地を使っている。
個人差はあるが、2日目でも一日中はいている人もいるという。ショーツの吸水力は、昼用ナプキン3枚分、30ミリリットル分。ちなみに、一般的な20~40代女性の正常な月経の目安としては、生理期間中の合計経血量は50~120ミリリットルだ。