

AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:仕事くらいしか頑張ってこられなかった20代でした。30を過ぎてから、新しいことに挑戦したり、家庭を持ったりしたいと思い始めました。性格がかなり不器用で、何かに集中すると他のことに手がつかなくなりやすいです。両立が苦手です。(女性/会社員/31歳/しし座)
A:根本的なところで、「頑張るとは何か」ということからお話ししたいと思います。なぜ人が頑張るのか。その理由は、居場所を作るためではないかと僕は思っています。
物心ついたときから、残念ながら始まってしまう競争社会で、「これだけ頑張った」という事実は「あなたがそこにいていいよ」と居場所を作ってくれることがあります。そのために一生懸命自分の居場所を作ろうとするわけです。
特にしし座は「とにかく認められなきゃ」の気持ちが強い人たちです。干渉されたくないから、時にはちゃんと頭を下げて、誰よりも尽くして、下働きもする。周りから文句を言われない自分の立場を築くために、どこまでも人に貢献する人たちなんです。
でもその頑張り方はどこかで止めなきゃいけないときが来ます。居場所作りのためだけ、みんなから認めてもらうためだけに頑張っていると、自分の心がどんどん消耗していきます。その頑張り方を続けると、「好き」という心がなくなってくるんですね。
「ご飯何食べたい?」とか「好きなブランドは?」とか聞かれたときに、答えられなくなってしまうことってありませんか? それは、周りから認められるために自動更新のようにずっと頑張り続けてきた結果、心がかなり動かなくなってしまったときです。