「コンビニ百里の道をゆく」は、51歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
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当たり前のことを当たり前にできなくなると、ストレスを感じやすくなりますよね。コロナ禍では感染への不安の中で、思うように外出ができず、友人にも会えない。慣れない在宅勤務に苦労をすることもあります。これがニューノーマルだと頭の中では理解しつつも、ストレスフルな状態が続いています。
ストレスを自分でコントロールできている間は心配ありませんが、誰かにぶつけてしまうケースも増えているようです。当然、ストレスがハラスメントを正当化する理由にはなりません。ただ、今はストレスがたまりやすいこと、そして、それによってハラスメントが起こりやすい世の中になっていることを、組織としても個人としても、自覚しなければいけないと感じています。
まずは、自分がストレス状態にあることを認識する。そして、どうすれば解消できるのかを模索していく。人間は慣れていく生き物ですが、そこには「慣れよう」という意識や努力が欠かせません。本を読んだり、音楽を聴いたり、散歩をしたり、風呂で汗を流したり。自分なりの楽しみ方を見つけて、ストレスをコントロールすることが大切だと思います。
ローソンでも例年秋に実施していたスポーツ大会の代わりに、チーム別のウォーキングイベントをリモートで開催。こうした取り組みを通して、気分転換や仲間とのつながりを感じてもらえたらと考えています。
私たちが掲げている行動指針、「ローソンWAY」の中に、「仲間を想い、ひとつになろう。」「誠実でいよう。」という項目があります。相手を尊重して、自分にも誠実に向き合うこと。
第3波が全国的に到来し、緊張の続く日々が再び始まりました。困難な状況だからこそ、笑顔を絶やさず、前を向いていきましょう。
竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
※AERA 2020年12月7日号