メルカリが行った「サステナブルファッションショー」。公募で選ばれた参加者10人が、不要な服を活用したコーディネートを披露した(撮影/編集部・高橋有紀)
メルカリが行った「サステナブルファッションショー」。公募で選ばれた参加者10人が、不要な服を活用したコーディネートを披露した(撮影/編集部・高橋有紀)
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 大量生産・大量消費よりも、環境に配慮したサステナブルな消費を──。ブラックフライデーに対抗して「グリーンフライデー」の動きが広まろうとしている。AERA 2020年12月7日号では、その動きを取り上げた。

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 毎年11月の第4木曜の翌日の金曜日を中心に開催される大型セール「ブラックフライデー」。米国から全世界に広がり、年末商戦の始まりの重要なイベントと位置づけられている。米国の小売業界では一番売り上げの多い日とされ、「黒字に転じる」のが「ブラック」の由来だとか。

 近年、日本でも認知が広がり、イオンからドン・キホーテ、しまむらまで様々な小売店がキャンペーンを張っている。

■買い物の代わりに公園

 だが、実はこの流れに疑問を投げかける動きもある。

 ファッションに限らず世の中の消費の潮流は「サステナブル」。脱・大量生産、脱・大量消費が叫ばれる時代だ。安売りで消費をあおるブラックフライデーの販売方法が環境に与える影響を鑑み、ブラックフライデーに代わる動きとして登場したのが「グリーンフライデー」だ。

 特にフランスではこの動きが活発で、各地でデモが起こり、ブラックフライデーの規制を求める声まで上がった。米・カリフォルニア州立公園では無料パスを配布して、ショッピングモールに行く代わりに公園に行こう、と呼びかけた。

 日本で今年、グリーンフライデープロジェクトを先駆けて行ったのがメルカリだ。ブラックフライデー前日の11月26日に、新作ゼロの「サステナブルファッションショー」をオンラインで配信。参加者が持ち寄った不要な服を、人気スタイリストがメルカリで購入した服と合わせてコーディネートし、生き返らせるというイベントを行った。

 メルカリの調査によれば、購入後に活用できていないモノを保有している人は5割近くいて、その購入の理由に「セール(値引き)されていた」を挙げた人が4割以上いたという。

「欧州ではグリーンフライデーの取り組みとして、不要な衣服の交換会やリメイクのワークショップなどが行われています。中古品でもファッションを楽しむことができることを伝えたくてこのプロジェクトを企画しました。過剰消費に対抗し、もっと環境に優しい消費を啓蒙していきたい」(メルカリブランディングチームマネジャー田原純香さん)

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