眞子さまの結婚について、秋篠宮さまは11月の誕生日会見で「認める」と述べた。だが、納采の儀に向けて出された課題は未解決のままだ。前途には複雑な現実が絡み合っている。AERA 2020年12月14日号から。
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そもそも、結婚の自由は憲法で保障されている。秋篠宮さまは冒頭の会見で、結婚を認める理由として、「婚姻は両性の合意のみにもとづく」とした憲法24条を3回も引用した。
関西大学教授で憲法学者の高作正博さんは、政府見解や過去の判例でも、基本的に「天皇、皇族も人権の主体」とされており、それを基準にすべきと話す。
「当然、皇族にも結婚の自由はあると考えられます。秋篠宮さまがご自身の立場と見解を、日本国憲法24条を引用して説明されたことは、好ましいことだと思います」
ただし、関係者の間では、結婚を認めたのは「苦渋の決断だった」と見る向きが多い。それを読み解くカギは、秋篠宮さまが会見で述べた「結婚と婚約は違います」という言葉だ。
天皇は国民の統合の象徴だ。眞子さまと小室さんが結婚すれば、天皇家と小室家が親戚関係になる。皇室ジャーナリストの山下晋司さんは言う。
「いまの段階では、親戚としてのお付き合いは難しいと考えられているのではないか。小室家側が少しでも説明するなりすれば、納采の儀も行いやすくなるかもしれませんが、『このままでは(一般の婚約にあたる)納采の儀はできない』というお考えは、いまも変わらないでしょう」
結婚は認めるが、婚約はできない──。だとしたら、今後、眞子さまの結婚はどのような道筋をたどるのか。
山下さんによると、納采の儀を行わずに眞子さまが皇室を出ることは十分考えられるという。
「小室さんから『見える形での対応』がなくても、このまま2年、3年が経過するとは考えにくい。眞子内親王殿下が決断され、納采の儀を経ずに婚姻届を出し結婚されることは、前代未聞ですが、起こりうる話です」
■未来はわからない
その際、国民感情を考えるうえで無視できないのが、皇籍離脱で眞子さまに支払われる1億数千万円といわれる一時金だ。民間に出た女性皇族の品位を保つことが目的とされる。この一時金について、ネットやSNSを中心に批判的なコメントが多く寄せられている。