今も誹謗中傷がくると話す小倉とも子さん。しかし、行方不明の娘・美咲さん(額縁の写真)を見つけるために、発信をやめるわけにはいかないと語る(撮影/片山菜緒子)
今も誹謗中傷がくると話す小倉とも子さん。しかし、行方不明の娘・美咲さん(額縁の写真)を見つけるために、発信をやめるわけにはいかないと語る(撮影/片山菜緒子)
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小倉とも子さんに送り付けられた、誹謗中傷の数々。被害に遭った際、専門家は「スクリーンショットなどで証拠を残しておいてほしい」とアドバイスする(撮影/片山菜緒子)
小倉とも子さんに送り付けられた、誹謗中傷の数々。被害に遭った際、専門家は「スクリーンショットなどで証拠を残しておいてほしい」とアドバイスする(撮影/片山菜緒子)

 近年、ネット上の見知らぬ相手からの誹謗中傷が激しさを増している。8歳の娘がキャンプ場で行方不明になった、小倉とも子さんもその被害者の一人だ。ネット上で人格否定や脅迫を受けても、小倉さんは発信を続けている。その理由は何なのか。AERA 2020年12月14日号で話を聞いた。

【写真】小倉とも子さんに送り付けられた、誹謗中傷の数々

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「娘がいなくなって本当につらくて、こんなに苦しんでいるのに、さらにどうしてこんなに苦しめられるんだろうって」

 千葉県成田市に住む小倉とも子さん(37)は、スマートフォンを手に胸中を吐露する。娘の美咲さん(8)が昨年9月21日、山梨県道志村のキャンプ場で行方不明になった。以来、小倉さんはインターネット上での誹謗中傷に苦しめられている。

■匿名アカウントの発信

 発端は、美咲さんが行方不明になった直後に小倉さんが自身のインスタグラムに上げた投稿だった。

<ご存じの方もいるかもしれませんが、うちの次女が行方不明になっています。皆さん、無事を祈って頂けると有難いです>

 これを見て心配した小倉さんが経営する店のお客や友人たちが、この投稿を拡散してくれた。しかしそこには、小倉さんの自宅兼店舗の住所・電話番号、公開前の美咲さんの写真も載っていた。拡散を止めたいと思った小倉さんは、再びインスタに行方不明の現場に捜索ボランティアが連れてきてくれた白馬の写真を投稿した。そして、

<動物が大好きな美咲に見つかったら、たくさんの人と動物達も美咲の為に頑張ってくれたんだよと話してあげたいので、不謹慎かもしれませんが写真撮りました>

 という文章も添えた。だが、小倉さんの意図が伝わらず批判が殺到し、炎上が始まった。

<こんな時にインスタやっている場合じゃないよな。死に物狂いで娘を普通だったら探す筈なのに……本当に狂っているよ>
<母親が何か知っているんじゃないか。自白しろよ>

 人格否定、侮辱……。連日のように激しいコメントが寄せられた。コメントは多い時で1日5千件近くあり、大半は応援や励ましだったが誹謗中傷も少なくなかった。その多くは匿名のアカウントからの発信だった。

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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