「夫にイラッときて育児や家事の参加をあきらめると、夫婦でスキルがどんどん差が開き、手際の悪い夫にますますイライラして、妻が背負い込むという負のスパイラルにはまるので。最初は役立たずでも、下手でも、不安でもがまんして任せた方が、妻はあとあと楽ですよ」

 ただし夫の両親とは、「戦った」という。義両親は昭和の価値観で、「息子に育児をさせるなんて」と眉をひそめられたという。

「女は仕事をやめて子育てって信じている人たちはいまだに存在しますよ」

 となれば、さまざまな価値観が混在する時代に、あえて「男性産休」制度化には意味があるのかもしれない。

 一方、女性ではないが、管理職の男性からはこんな意見があった。

「批判されることを承知でいいますが、もし部下が産休をとりたいといったら、おまえにはほかにやることがあるだろう、と言いたいです。その分、奥さんが稼ぐならいいでしょうけど。つまり、男女問わず、稼げる人は稼いだ方がいいと思います」

 確かに、休めば収入は減る。お金の問題をリアルに考えた発言かもしれない。雇用保険から育児休業給付金がでるが、おおざっぱに説明すると180日目までは賃金日額の67%、それ以降は50%に相当する額だ。

 報道によると、来年の通常国会に、育児・介護休業法の改正案を提出し、2022年度からの実施を目指すという。当事者にとって使いやすい制度になるか、今後の審議から目が離せない。(AERAdot.編集部/鎌田倫子)

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