人事評価は目標設定を行い、その達成度合いを評価する機会を経て決まります。各社により違いますが、上司と経過をすり合わせる機会が何回か設けられるようになってきました。

 最近は評価に対する不満を口にする部下が相対的に増えているので、評価する期間の間に何回かすり合わせることで納得性を高めたいからです。こうしたすり合わせの機会を活用して、取り組みを巧みにアピールするのが有効です。

 たとえば、「この仕事の成果は、昨年に取り組んだ○○のような活動が実を結んだためだと思います」と評価されなかった過去の仕事ぶりを現在の成果につなげて説明すると、現在の評価で加点要素になる可能性があります。

 変わらない査定結果に対してモチベーションを下げるのは得策ではありません。会社を辞めるのは最後の手段。その前に、なんとか切り替えてモチベーションを上げる工夫をしてみましょう。 

 具体的には、過去にモチベーションを上げてきた状況に自分をどっぷりと置くのです。たとえば、お客さまから感謝されることがモチベーションであれば、そのような経験をした取引先を訪問してみる。

 仕事を通じた成長実感でモチベーションが上がるなら、実現できそうな仕事から取り組む。人から承認されることでモチベーションが上がるなら、そうした機会を得やすいように自分の存在価値を正すべく、誰かと飲みながら確認してみる。

 こうした取り組みをすると、モチベーションが次第と元に戻るのを感じるはずです。腐ることなく淡々とこなすことが、めぐりめぐってあなたの評価にもつながるでしょう。

西野一輝(にしの・かずき)/経営・組織戦略コンサルタント。大学卒業後、大手出版社に入社。ビジネス関連の編集・企画に関わる。現在は独立して事務所を設立。経営者、専門家など2000名以上に取材を行ってきた経験を生かして、人材育成や組織開発の支援を行っている

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