野田佳彦前首相が衆院解散を宣言した昨年11月中旬に8千円台だった日経平均株価は3月8日、ついに1万2千円台を回復した。目先の目標とみられていたリーマンショック前の水準(1万2214円)もアッサリと突破したのだ。これから1カ月(3月8日から4月8日)で2割以上アップする株銘柄はあるのか、専門家たちが分析する。
大手ネット証券カブドットコムの河合達憲チーフストラテジストが注目するのは、TPPの関連だ。TPPとは、域内の関税を原則としてゼロにし、貿易を活発にしようというもの。目をつけているのが農業関連だという。日本の農業にとってTPPは不利と言われるが、実は恩恵を受ける側面があるというのだ。
「イハラケミカル工業、クミアイ化学工業といった農薬関連は狙い目でしょう。日本の農薬は世界でトップレベル。輸出量が増える可能性がある」(河合氏)
食品物流の倉庫などを手がけるヤマタネも推す。「海外から農産物が入ってくれば、保管する場所が必要になってくる。そうした会社は狙い目です」。
春という時節柄で考えると、「PM2.5」や花粉症の関連もオススメという。ウイルス対策の高性能マスクを販売するシキボウに注目するのは、日本株アナリストの本吉亮氏だ。「今年は中国各地で有害物質を含んだ濃霧が発生しており、九州などにすでに飛来してます。マスクの需要は拡大するでしょう」。
※週刊朝日 2013年3月22日号