と、この一週間で、色んな人がM-1のことを色んなメディアで話して、SNSで書き、エッセイで書いているわけです。

 こんなイベント、今どき日本にあるだろうか?こんなに語りたくなるイベント。

 M-1グランプリって、「笑いたいから見る」って人もいるかもしれないが、それが一番ではないと思う。「人生が変わる瞬間」が見たいのだ。

 始まってから、中川家、ますだおかだ、フットボールアワーが優勝して、そして、アンタッチャブルが優勝したあたりから、M-1で優勝すると他の局やメディアでもこぞってキャスティングするようになりました。M-1優勝=売れるという方程式が、何年もやり続けることによって、確立したのです。

 だから、夢が叶った瞬間を見たくて、見ている人が多いと思うのです。

 今や、リアルタイムで、みんなでテレビを見たい瞬間って本当に減ってきました。ネットでもおもしろいコンテンツが本当に増えてきましたが、M-1を見て、あらためて、これだけは絶対にネットでは出来ないテレビコンテンツだなと思いました。

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中。バブル期入社の50代の部長の悲哀を描く16コマ漫画「ティラノ部長」の原作を担当し、毎週金曜に自身のインスタグラムで公開中

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