うま味だって、やっぱり科学でできている。かつお節にはイノシン酸、昆布にはグルタミン酸、キノコにはグアニル酸といったうま味成分が豊富に含まれている。
「グルタミン酸と、グアニル酸やイノシン酸を組み合わせてうまく出汁をとると、うま味は最大で約7倍になるといわれています」(同)
ただし、グアニル酸とイノシン酸をあわせても相乗効果は得られない。
意外なところでは、トマトもグルタミン酸が豊富だ。うま味は満足感を与えてくれる。これを利用して、カロリーを抑えつつ、けれども満足感はしっかり得られるおつまみやデザートを作ることもできる。
こうしたメカニズムがわかっていると、「時には手を抜くこともできるし、大人も子どもも楽しく料理できる」(同)。
おいしさはサイエンスだ。料理をもっと楽しみにする科学を、この年末年始、試してはどうか。(編集部・熊澤志保)
※AERA 2020年12月28日-2021年1月4日合併号