くら寿司の「七福巻」
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 新型コロナウイルスに振り回された2020年も終わり、2021年が明けましたが、早速緊急事態宣言が出されるなど、収束にはまだ時間がかかりそうですね。一日も早く、元通りにいろんな人と普通に会って、楽しく過ごせるようになって欲しいものです。

【まるごとイワシの恵方巻き? 写真はこちら】

 今年の年末年始は、カレンダーの関係で例年に比べて休みが短かったという方も多かったようですが、皆さんはどんなお正月を過ごされたでしょうか。

 お正月の料理の代表といえば、おせちですよね。おせちには、地域ごと家庭ごとにさまざまなバリエーションがあると思いますが、定番と呼ばれる具材もあります。皆さんの好みはどの具材ですか?

 筆者は、黒豆とごまめ派です。この二品があれば、それをおつまみに延々とお酒を飲んでしまい、いつも怒られています。

 実は最近知ったんですが、カタクチイワシを干して、砂糖、醤油、味醂などで甘辛く味付けしたものを、関東や東北などでは「ごまめ」ではなく「田作り」と呼ぶ方が多いんですね。かつて、カタクチイワシを田んぼにまいて肥料にしていたことに由来するそうです。

「ごまめ」の由来も、五万米(たくさん)のお米が取れるようにということなので、同じ由来のようですが。

 余談になりますが、皆さんは子供の頃、同じ年頃の友達と遊んでいる際に、友達の弟や妹など、鬼ごっこなどで捕まっても鬼にならない特別な扱いの子をなんて呼んでいましたか?

 関西では「ごまめ」と言いますが、語源については、大きな魚の周りにいる小魚からきているという説があります。

 筆者の地元(倉敷あたり)では、「アブラ」と言ってました。水に混じらない「油」からきたんでしょうか? その他、関東では「おみそ」や「おまめ」などの言い方もあるようです。

「おみそ」の語源には、英語のOmit(除外する)という説もあり、何だかグローバルですね。

 そしてお正月が終わると、我々寿司屋にとっては、節分の恵方巻き商戦が始まります。

 恵方巻きは、元々は江戸時代から明治時代に大阪の花街で、商売繁盛を願って、芸遊びをしながら行われていた風習で、当時は「太巻寿司」や「丸かぶり寿司」と呼ばれていました。具は、七福神にちなんで七つの具材を入れていたので、なかなかの太さでした。

 それが、1990年ごろからコンビニエンスストアが「恵方巻き」として全国に広めたと言われています。

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