次の19年3月26日についても、「手帳」には、

<11:30 吉川大臣面談(大臣室)>

 と書かれていた。吉川氏が大臣室で現金をもらったのではないかとの疑惑が浮上する。

 吉川氏とアキタフーズの関係は、河井克行被告の紹介がきっかけだったという。克行被告の政党支部である自民党広島県第3選挙区支部の2018年の収支報告書によれば、アキタフーズ(当時は旧社名)は計262万円を寄付。この年以外も毎年のように、100万円を超える献金をしていた。

「手帳」には19年9月18日の欄に、

<18:30 吉川 河井会食(なだ万)
10名 M生産局長 W畜産部長 F畜産企画課長 I畜産振興課長 M食肉鶏卵課長 SP席>(※編集部注 農水省幹部の名前は手帳では実名)
 
 と、メモがある。会合があった19年9月11日には内閣改造があり、吉川氏が農相を退任している。

「アキタフーズの元代表に吉川先生を紹介したのは河井克行先生。それに河井先生の奥様が、この年7月の参院選で当選したこともあって、お祝い、吉川氏の慰労という会合でした。手土産? たぶん2人の先生に加えて、農水省の幹部にもお渡ししていると思います」(アキタフーズの関係者)

「手帳」には他にも数々の政治家の名前が記されており、吉川氏や河井氏をしのぐ「大物」の名前もあった。

 18年3月30日の「手帳」には、

<18:00 大島先生会食(なだ万大座敷) 10名>

 とあった。大島とは、大島理森衆院議長のこととみられる。「手帳」の中には、複数回、衆院第二議員会館8階の事務所を訪ねていることも記されていた。この会食に参加したのは、日本養鶏業界の幹部たちだった。

「大島先生なんて、衆院議長ですから、一介の養鶏業者が親しくできるわけがありません。場所も帝国ホテルのなだ万ですよ。音頭をとって仕切ったのは、アキタフーズさんですよ」(日本養鶏協会幹部)

 大島氏の事務所に会合についての事実関係や、元代表から依頼を受けたことなどはないかを尋ねると、文書で次のように回答した。

「日程については、公表している日程以外の回答はしておりませんのでご了承ください。日々の政治活動は、法令に照らして適切に行っているところです」

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森山国対委員長の名前も手帳に登場