竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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オーナーのみなさんからは「社長直行便」で多くのお手紙をいただきます
オーナーのみなさんからは「社長直行便」で多くのお手紙をいただきます

「コンビニ百里の道をゆく」は、51歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

【写真】オーナーのみなさんからは「社長直行便」で多くのお手紙をいただきます

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 今春より、5年ごとに契約を更新する新フランチャイズ(FC)契約制度を導入します。これまでは10年ごとの更新でしたが、その半分の期間で契約できるようになります。なぜ、新制度を始めるのか、お話しします。

 1975年に大阪でローソン1号店を出店し、現在は全国1万4503店舗まで成長しました。46年目にもなりますと、ご卒業されるオーナーの方も多くなります。ご夫婦で子育てをしながらFC経営をしたこと、街の人とのつながりができたこと……そんな思いを書いたお手紙をいただく機会も増えました。

 ローソンでは30代、40代でFC契約をされる方も多く、10年ごとの契約更新を経て70歳を超えるオーナーさんもいらっしゃいます。ずっと健康なら店を続けたいが、10年という数字に不安を感じ、「5年なら」というお声も聞くようになりました。

 そこで、5年プランを新設することにしました。もちろん、新規出店されるオーナーの方にも選んでいただけます。10年という重みを感じてサインしていただくことも大切ですが、当初の想像と違うこともあるはずです。そのような思いで続けていくよりは、5年で区切れる選択もあっていい。

 新しい制度を導入することで、新たに契約したい方はもちろん、既存オーナーの方にとっても一種の安心感につながればと思っています。募集は3月からなので、どうなるかは蓋を開けてみるまでわかりませんが、デメリットよりは、利点が大きいと考えています。

 本部としては、初期投資を数年で回収するのは難しいため、長く続けていただきたいという思いはあります。今回の5年のパッケージは更新も可能です。ローソンでよかったと心から思っていただけるよう、今後も改革を進めていきます。

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

AERA 2021年1月18日号