巨人・小林誠司 (c)朝日新聞社
巨人・小林誠司 (c)朝日新聞社

 2月1日のキャンプインに向けて、補強についてはいち段落したように見えるプロ野球界。しかし、いざキャンプ、オープン戦が始まると思わぬ故障者が発生し、緊急補強が必要になるケースも少なくない。そんな時によくあるのがトレードによる他球団の余剰戦力の獲得だ。今年は新型コロナウイルスの影響で今から新外国人を獲得しても来日がいつになるか不透明なため、トレードによる戦力補強が増えることも考えられる。

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 そこで今回はポジションの重なりによって出場機会には恵まれていないものの、他球団で活躍する可能性を秘めたトレードで狙い目の選手たちをピックアップしてみたいと思う。

 捕手で真っ先に名前が挙がるのが小林誠司(巨人)だ。プロ入り3年目にレギュラーの座をつかみ、2017年のWBC、2019年のプレミア12では侍ジャパンにも選ばれたが、昨年は度重なる故障でわずか10試合の出場に終わっている。

 チームには打撃が持ち味の大城卓三と守備と経験が光る炭谷銀仁朗という実力者二人が揃い、若手の岸田行倫の成長も著しいだけに小林の存在感は薄くなる一方だ。ただ2016年からは4年連続でリーグトップの盗塁阻止率をマークしているように、ディフェンス面には定評がある。トレードで獲得するにはそれなりの交換要員は必要になってくるが、捕手が弱点となっているオリックス楽天などは思い切って狙っても面白いだろう。

 トレードで環境を変えるべきではないかという話題になると、よく名前が挙がるのが藤浪晋太郎(阪神)だが、チーム事情を考えると同期の北條史也(阪神)となりそうだ。プロ入り4年目の2016年には122試合に出場して105安打を放つ活躍を見せたものの、今のところこの成績がキャリアハイとなり、昨年はわずか19安打に終わっている。

 二遊間は糸原健斗、木浪聖也がレギュラー格でバックアップ要員の植田海、若手で伸び盛りの小幡竜平、更に即戦力として期待されるルーキーの中野拓夢も控えており、今年は更に出場機会が少なくなる可能性が高い。今年で27歳という年齢を考えると環境を変えて復活することも十分に期待できるだけに、内野の層が薄い日本ハムロッテにはおススメの選手と言えそうだ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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