平手:もともと映画は洋画を中心に、たくさんの映画を観ています。好きな作品は選びきれないです。演じる機会が増えたから、「ほかの役者さんの演技を観よう」という視点から映画を観るようになったということはあまりないです。「この監督が好きだから観る」というより、その時その時に興味を持つ作品を観ています。
興味がある映画はあるのですが、同時に「この規模の作品は日本ではできないのだろうな」という現実的な部分を感じてしまうことはあります。
■助けられ乗り越えた
3作目の映画出演作となる「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」の公開も控える。撮影はコロナ禍と重なった。
平手:外出自粛期間の前に、すでに撮影に入っていて、自粛期間を挟み、再び撮影に入るという状況だったので、外出自粛期間が明けたら、同じように撮影に戻ることができるのだろうか、というのは不安でした。たとえ撮影が再開できたとしても、時間が空いているので「自分に同じ役ができるだろうか」という不安もありました。最終的には、自分の力というよりも周囲の方々に助けられながら乗り越えることができた気がします。
不安になると、私はすごく考え込んでしまうタイプなのですが、最終的にはやりきらないと、どんなことも終わらない。不安を抱いたときはいつもそんな気持ちで、作品と向き合っています。
(ライター・古谷ゆう子)
※AERA 2021年1月18日号