竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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家飲みやオンライン飲み会をされる方向けなど、売り場づくりに力を入れています
家飲みやオンライン飲み会をされる方向けなど、売り場づくりに力を入れています

「コンビニ百里の道をゆく」は、51歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 2度目の緊急事態宣言が11都府県に発出されました。第1波、第2波が収束した当時、日本は世界に比べ感染者数が少なく、それは国民性や遺伝子によるものだなど様々な見方がありました。ですが、今回の第3波では、感染が止まらない状況が続いています。

 中国の武漢で新型コロナウイルスが発見されてから、1年が経ちました。この間、感染拡大防止を第一としながら、一番身近なお店として、いかにお客様の期待に応えていけるかに注力してきました。

 昨年4月の1度目の緊急事態宣言のときはまだ、お客様の巣ごもりや自炊需要の高まりに十分にお応えできなかった部分もありました。ですが、今回は2度目の緊急事態宣言です。お客様の生活圏が小さくなる今、近くのローソンに来ていただけるよう、これまでに得たことを一つひとつ実行していきます。

「最低限の外出」のなかでも、生活必需品とプラスαでちょっとした幸せを感じていただきたい。そんな思いが、売り場づくりや生鮮食料品や冷凍食品、お酒、洋菓子はもちろん、和菓子などの強化、外食産業とのタイアップにもつながっています。

 また外出に制限があるなかでは、季節を感じる機会も減少しています。節分やバレンタインなど、毎年四季折々の催事に合わせた商品を展開していますが、今年は例年以上に季節感のある売り場にしようとこだわるお店も出てきています。

 当初の予定通り、1カ月で緊急事態宣言を解除できるのか、延長となるのかはわかりません。ウィズコロナであっても、アフターコロナであっても、お客様の安心につながる存在であり続けたい。

「今こそマチのために力を発揮するとき」と前を向くオーナーの方も多くいらっしゃいます。慣れは禁物なので、緊張感を持ちながら頑張っていこうと思っています。

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長