昔から、ボクはこの独特の高い声のせいで、色眼鏡で見られることが多かった。周りから「変な声だ」とかって、言われることもあったし、おちょくられることも少なくなかった。色んな人に「見られている」っていう意識は、小さい頃からすごく強かったんだよね。
広島の田舎で純粋に育ったせいもあるのか、そういった人の目に、けっこうショックを受けていた時期もあったよ。
でも、ボクはそういう人たちと変に争うんじゃなくて、どうやったら、この場の空気を悪くせずに終わらせられるかっていうことばかり考えていた。
きっと、いまだに人と少し距離を取っちゃうのは、その頃のクセが、今も抜けないんだと思う。
でも別に、そういう自分が嫌だなとか思ってるわけじゃない。ボクは、いったん、相手を受け入れちゃうと警戒心がゼロになっちゃうからね。そのぐらい注意していたほうがちょうど良いんだ。実際、裏切られたこともあったしね。
だから、ボクには、よく知らない大勢の人と遊ぶなんていう場は、別に必要ない。
正直、友達って作ろうと思えば簡単に作れると思うんだ。本心じゃなくても、適当に、相手の喜ぶようなことを言っておけば、成立したりするからね。
ボクは、そんな浅い関係の付き合いは求めてない。
友達って、5年後、10年後も一緒にいたいって思って付き合うものだと思ってる。
相手が、この先、どんなに落ちぶれようとも、ずっと一生友達でいる。
心許せる人とだけ、深い付き合いができれば、それでいいんだ。
それがボクの理想。
友達とお酒を飲んでいると、よくそんなことを言って、ボクは泣いているらしい(笑)。
ちなみに、今のボクが特に仲の良い友達の名前をあげるとするならば…たかみな、それからサンミュージックでマネジャーをしているオオゼキさん、松竹芸能の後輩の菊地(ワンワンニャンニャン)かな。菊地は友達というか、後輩だし、ペットみたいな存在だけどね(笑)。
ボクは、この3人を「クロちゃん三銃士」って呼んでいる。
「1人はみんなのために、みんなはクロちゃんのために!」
これからも末永くよろしくだしん(笑)。
(構成/AERA dot.編集部・岡本直也)