年初早々、日経平均株価は2万8千円を超えた。コロナ禍の影響で景気悪化が懸念される中、株価は上昇の勢いが止まらない。一体、何が起きているのか。大手証券勤務のA氏、ネット証券勤務のB氏、アセットマネジメント会社勤務のC氏、株やFX(外国為替証拠金取引)などで2億円以上の資産を築いたサラリーマン投資家・D氏の4人に本音を聞いた。
──日経平均株価は30年ぶりに2万8千円台に。NYダウも過去最高値を更新して3万1千ドル台に入りました。
A:予想以上に強い。米ジョージア州上院選挙の決選投票で民主党が2議席奪還したことにより、民主党は大統領の座と上下両院の過半数を握りましたが、このトリプルブルーが現実になったらリスクオフ相場に転じると予想していた。民主党内の急進左派が主張する大増税が相場に対してマイナスに働くと考えられるからだ。でも、調整どころか、リスクオン相場が加速した。
B:みんな同じように予想していましたよ。だから、トリプルブルーになる可能性が高まったときには一時的にダウ先物や日経先物が売られたけど、予想に反してすぐに買い戻しが入った。
C:マーケットは都合よく解釈しすぎ。昨年の大統領選挙後は「共和党が上院の過半数を維持してトリプルブルーを阻止できる=大増税阻止」との見方から、NYダウが2千ドル以上も上昇したのに、トリプルブルーになったらなったで「民主党の大型景気対策に期待」と。
D:上院で一度否決された個人向けの2千ドル給付が実現するとの期待が買い材料になった。確かにスマホ一つでトレードする若いロビンフッダー(米ネット証券「ロビンフッド」の利用者)が昨年、GAFA(グーグル・アマゾン・フェイスブック・アップル)や電気自動車のテスラを買いまくって押し上げたことを考えれば、個人向け給付が増えるのは相場にとってプラス。
B:昨年12月にFRB(連邦準備制度理事会)理事に筋金入りのハト派が加わり、今年のFOMC(連邦公開市場委員会)メンバーもいっそうハト派色が強まった影響も大きい。徹底的に金融緩和を続けて金余りの状況が続くと予想できるから、資金は株に向かい続けている。