多くのYouTuberをクライアントに持ち、自身もYouTuberとして活動中の北川貴啓弁護士は、「この1~2年で、(制裁が)特に厳しくなった印象」と語る。
「遠藤さんなどは運営側にロックオンされてしまった形ですが、監視を続けるにはマンパワーを割かないとできない。運営側も本腰を入れてチェック体制を整えたのだと思います。昨年ごろから動画を投稿する人が爆発的に増えて、視聴回数を稼ぐために過激な動画を投稿するケースも目立つようになりました。規模や社会的影響力が大きくなった以上、YouTubeも厳しくならざるを得ないのだと思います」
今回のワタナベのケースでも、「永久追放型」の可能性はあるかもしれない。旧アカウントがBANされていない事実を見る限り、首の皮一枚つながっているようにも思えるが、今後、運営側が本腰を入れて取り締まる可能性もある。
存続している旧アカウントは、現在も登録者数200万人超えの人気チャンネルのままだ。新アカウントがBANされてもなお、ワタナベは安定した収入を得られそうだが……。
「旧アカウントの動画を確認すると、ほとんどすべての動画に広告が付いていません。おそらく2019年に知人女性に怪我をさせ、傷害容疑で逮捕されたことをきっかけに、広告を外したのでしょう。収益は、ほとんどゼロに近いと思います」(YouTuberに詳しい業界関係者)
まさに因果応報の結末ともいえる。元欅坂46の女優・今泉佑唯(22)と結婚し、一児の父となる見込みのワタナベは、このまま引退するのか、再び活動を続けるのか。本人のSNSは沈黙に徹しているため、今後の動向については不明のままだ。
(取材・文=AERA dot.編集部・飯塚大和)