不動産の購入を考えている人にとって重要な検討材料のひとつが、購入後の値動き。週刊朝日では大都市圏での直近10年、3年の値動きを徹底調査し、騰落率を算出、ランキングにした。名古屋圏の実態はどうなのだろうか。
名古屋市内をぐるりと回る名古屋市営地下鉄名城線は、日本で唯一、環状運転の地下鉄で、この内側が名古屋市の中心部にあたるという。
「直近10年のランキング1位の池下駅は名城線の環状の内側にあって、名古屋のど真ん中といえます。地下はここ3年でみても、30.8%増と、いまだ高い伸びをみせています。ランキングには入っていませんが、名城線の総合リハビリセンター駅も非常に人気があり、名古屋では地下とこの駅だけが3千万円の大台にのっています。東山線の覚王山(かくおうざん)駅も人気のある住宅地で、2002年からずっと2500万~2600万円と安定して高止まりしています」(不動産調査会社「東京カンテイ」の中山登志朗・上席主任研究員)
逆に名古屋市中心部を離れると、価格は一気に安くなる。かなりのエリアが2千万円以下となっており、1千万円を切る駅もある。もっとも安いのは名鉄名古屋本線の今伊勢駅で、736万円。02年と比較して38.6%も下落し、直近10年ランキングで最下位だ。
「昔は名古屋といえば名鉄でしたが、いまは地下鉄のほうがはるかに便利です。名鉄線は名古屋郊外に出ていくときに使う路線になってしまいました。ランキング下位にも名鉄が多いですね」(中山氏)
※週刊朝日 2013年4月12日号