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 お笑いコンビ、キングコングの西野亮廣さんが吉本興業を退社しました。昨年から、芸人さんや芸能人の事務所独立のニュースが絶えません。そのたびに「YouTubeで影響力をつけたからですか」と関連づけるように聞かれますが、ケースバイケースです。芸能人が芸能事務所を辞める理由は、正確に言えば「テレビ以外で影響力をつけた存在(インフルエンサー)」となったからです。インフルエンサーとYouTuberは、重なる部分もありますが少し違う存在です。

【写真】年収5億円?を誇る日本のトップYouTuberはこの人

 西野さんは、会員数7万人を超える大規模なオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」を運営しています。月額980円のオンラインサロンなので、単純に計算すると毎月6860万円の会員料収益があります。このような会員が月額使用料を支払うことで収益をあげるビジネスを、「サブスクリプション」と呼びます。代表的なものだと、Netflixやアマゾンプライムビデオ、iMusicなどが挙げられます。新聞、ジム、メルマガ、銀行の貸金庫、月会員の漫画サイトもサブスクリプションに当てはまります。

 誰もが何かしらのサブスクリプションに登録していると思います。オンラインサロンは、月会費が集まるので、サブスクリプション的な収益といえます。芸能界で、従来から莫大なサブスクリプション収益をあげているのは、ジャニーズ事務所です。ジャニーズ事務所の盤石な収益源は、ファンクラブの会費です。有名なグループはもちろん、テレビに頻繁に登場するグループではなくても、ファンクラブの会員数が多ければ、収益はテレビに多く出演するグループの何倍にもなります。熱心なファンを多く抱えることは、莫大な収益を発生させるのです。このジャニーズのビジネスモデルと似たようなことをできるのが、影響力を持つインフルエンサーです。

 インフルエンサーは「影響力を持つ存在」ですが、最も収益を発生させるのは、「モノを売れる」インフルエンサーです。テレビショッピングでカリスマ販売員と呼ばれる方々がいますが、イメージとしては彼らに近いと思います。「この人がオススメするモノは買っちゃう」というファンを多く抱えていると、莫大な収益が生まれます。YouTuberにも、インフルエンサーは多く存在します。普通のYouTuberは、再生回数に応じて発生する広告収益や企業案件が収益源ですが、インフルエンサー的なYouTuberの場合は、物販による収益が大きな収益源となります。YouTuberの中でも、自分のプロデュースした商品を販売している人々です。

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