

AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:会社で事務をしています。同じ作業もありますが、臨機応変に対応したり、スケジュールを立てて進める仕事があります。心配性で、戸締まりやガスの確認などでも強迫観念があり、いつも不安です。自分が使っていないところも確認するほどです。そういう自分を認めたいですが、生活に支障が出ています。(女性/会社員/31歳/いて座)
A:僕は決して優秀コースで生きてきた人間ではないんですが、大人になってからいわゆる「優秀な人」と会って気づいたことがあります。それは、受験や仕事で競争に勝つことは、どこか強迫観念的にならないとできないゲームだということ。例えば受験勉強で80点から90点に点数を伸ばすときには、やっぱり見落としがあったらいけないし、答えられない問題もこう答えておけば1点もらえるとか、そういう工夫に目を光らせる必要もあります。他人のちょっとした動作から悪意を見抜くとか、先進国の競争社会においては、強迫観念的なものを持っている人のほうが結果を残しやすいんですよね。
タレントさんや芸能人の方でも多いです。一発勝負というか、一つの大事なシーンに全集中できるように、それ以外の日常生活で気がかりを残したくない、という意味で強迫観念的な人が多いように思います。ガスの元栓閉めたかなって心配しながら、勝負どころで100%のパフォーマンスは発揮できないから。
強迫観念は時として悪いものじゃなくて優秀さと引き換えにあるものなんだけど、でもその強迫観念を持ちつつ、ずっと活躍し続けるって、超人にしかできないことです。強靱な精神力と肉体を持って、自分に休みなく課し続けるっていうのは、常人にはできません。神経も消耗します。