会長辞任を表明した森喜朗元首相=代表撮影(C)朝日新聞社
会長辞任を表明した森喜朗元首相=代表撮影(C)朝日新聞社
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 コロナ禍で今夏開催が危ぶまれる東京五輪・パラリンピックがさらに揺れている。女性蔑視発言の責任を取り、大会組織委員会会長の森喜朗元首相(83)が2月12日の組織委臨時合同懇談会で辞任を表明。その森氏が前日に後継指名した川淵三郎・日本サッカー協会相談役(84)も、「密室人事」の批判を受けて辞退表明に追い込まれた。川淵氏は懇談会後、ドタバタ劇の内幕の一端を明かした。

「森さんに対して、あんまりいろんなことを言いたくない。森さんを傷つけたくないから。僕が(会長に)ならなくて良かったね。大失敗は(11日に)マスコミがいっぺんに僕の家に押しかけてきた時。僕が『何も言われてないよ』と家に入れば正解だった。全て僕が悪い。こうやってしゃべることが良くないんだよ」

 今後は組織委内に設置された候補者検討委員会で会長候補を選出し、理事会で決める。

 政治ジャーナリストの角谷浩一氏が説明する。

「川淵さんは『森さんが組織委の相談役として残る』とか、ペラペラしゃべり過ぎました。菅義偉首相や安倍晋三元首相、小池百合子都知事には了解してもらったとか、菅首相からは『もうちょっと若い人はいないか』『女性がいないか』という話があったとか、密約をやったみたいな説明を報道陣の前でしてしまい、人事がウリの菅首相から見たら、ちょっとこれはどうにかしなければと思ったことでしょう」

 密室人事をオープンにした川淵氏の“透明性”に官邸側が難色を示した形だ。

 与党内からは早くても、後任候補として橋本聖子五輪相(56)、丸川珠代元五輪相(50)、初代スポーツ庁長官で1988年ソウル五輪競泳金メダリストの鈴木大地氏(53)らの名が上がっているという。橋本、丸川両氏は森氏の出身派閥・清和政策研究会((細田派)に所属。鈴木氏は森氏の反対で千葉県知事選への出馬を断念した過去がある。こうした森氏の「子分」が次期会長に収まっても、透明性のある人事と言えるのだろうか。

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子分を集め、ワンマン体制構築