作家の室井佑月氏が、森喜朗会長辞任、菅首相長男の接待問題に言及する。
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2月11日配信の「THE PAGE」の「五輪放映権を持つ米NBCが森会長の辞任を要求する意見記事『彼は去らねばならない』」という記事で知った。東京五輪・パラリンピックの開催費は今、約3兆1400億円になろうとしている、と。米NBCの記事の抜粋として、そう書かれていたのだ。
招致した当初は7千億円くらいでやるコンパクト五輪といっていたのに、いったいいつ、どうして、こんなに費用が膨らんだんだろうか。
東京五輪・パラリンピックがほんとうにあたしたちのためのイベントであるとしたら、開催費について、日本のメディアは正しく伝えてこなくてはいけなかった。
3兆円超えといったらざっくり計算しても、東京五輪を開くために、4人家族で12万円ほどもかかるという計算になる。そういうことを、あたしたちにきちんと知らせてきたといえるだろうか。たとえ五輪のスポンサーであっても、だ。
東京五輪・パラリンピック組織委員会会長を、森喜朗氏は女性蔑視発言で辞任すると表明した。彼は会長職は無報酬であることを誇らしげに語っていたが、2月15日の「NEWSポストセブン」の「『無報酬』と胸張った森喜朗氏 五輪納入業者などから年6000万円献金」という記事によれば、五輪で派生する受注先から、献金やらパーティー券で金を得ていたようだ。
もちろん業者は、献金をしてもパーティー券を購入しても、それを上回る美味(おい)しい思いができたのだろう。その費用は税金で、請求は国民にくる。
森氏の後任決めで右往左往している組織委員会は、実質その会が森氏のものであったといっているよう。3800人いる職員たち(2020年4月1日の「時事ドットコム」より)の中の何人が、実際に働いていたんだろうか。彼らはボランティアではない。
それにしてもいつから日本は、一部の人間が好き勝手できる国になってしまったのだろうか。