レイプや拷問はされなくても、その“親戚”たちは中国共産党が送ったスパイなわけですよ。ウイグル人から中国のことをどう思っているか聞き出したり、特に子どもたちからも聞き出しているんです。要は、子どものから話を聞けば、その親がどう思っているかわかるから。

“親戚”はもてなさないといけないとされていて、滞在している間宴会をするんですけど、ウイグル自治区に住んでいる人はイスラム教徒が多く、宗教上飲めないお酒や食べられない肉を“親戚”が強要するそうです。イスラム教自体を改宗させるつもりなのかコーランも焼いてしまう。そういうことがまかり通っているようで、ワシントンからリモートで取材を受けてくれたウイグル人の女性は涙を流しながら話して、通訳の人も泣いていました。

 とんでもないことが今現在行われているんだけど、結局、どうにかしようというのは次の次の話になるから、土曜に放送した番組ではまず知ってもらおうと。色々な利害関係があるのかもしれないけれども、地上波のテレビ番組でも勇気を持って流さなければいけないことだと思うんですね。

 中国との利害関係はあるけれども、アメリカのCNNやイギリスのBBCもウイグル問題をヤバイぞって報道し始めているんですよね。アメリカは中国がウイグル人にやっていることはジェノサイド(民族大量虐殺)だと認めています。日本はというと、番組で外務省に質問状を出したら「いい方向に行くように外務省としては検討いたします」みたいな回答しかないわけですよ。

 本当にウイグルでこんな酷いことが行われていることを知らないといけないと思うんですよ。東京新聞とか僕の故郷の西日本新聞ではウイグル問題を報じていることもあるんです。日本と中国の経済関係もあるけれども、臭い物に蓋をするじゃなくてウイグルで今どんな酷いことが行われているかを日本のメディアも報じるべきです。今回、こうして僕がこの連載で語るみたいに、他の日本のメディアも取り上げようよ! 日本のみんなにも知ってもらわないとダメだと思うんです。

 今この瞬間にも何が行われているかわからない。拷問、性的虐待、虐殺、臓器狩りが行われているかもしれない。そんなのはウソだって思うかもしれないけれども、証言をしているウイグル人が何人も出てきているわけですよ。そこをちょっと考えないか?

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ウイグル問題を知り”中国人、このヤロー!”というのは違う